その話題性・注目度からある程度の大入りは予想していたけれど。
数年前の国立博物館の写楽展かと思うような芋洗い状態。
永青文庫のキャパ的なものか、展示内容に心拍数が上がるのか
咽返るような熱気、汗の匂い、展示に沿って長蛇の列。
人口密度は高いけど妙に静まり返る館内。
私もその高密度の構成員の1人なわけだけれども。
だがしかし。
美術館はひと気が無いに限る。
最初はざっとコレクションを見渡して
気になった作品、好きな作品の前で
好きなだけ対峙して好きなだけ語りかけて
好きなだけ浴びたいもんなあ。
春画なので、1人でコソコソ堪能したい。日本人らしくムッツリと。
それは叶わぬ夢で、図録を購入してすきなだけどうぞって訳でしょうけど
肉筆の春画はやっぱりホンモノを嘗め回すように観たいのです。ホンモノを観ながらアレコレ考えたいし、許されるなら模写したい。
さすがにそれは無理なので 笑
人ごみの後方から観た感想は
■毛と濡れ感への尋常じゃない執着と描き込み
■躊躇なしの思い切ったいやらしい表情の描写
見せたい魅せたい箇所への並々ならぬ情熱と描き込みは、
結合部にフォーカスが当たり、2割ほどデフォルメされ、立体感すら感じる
2.5次元な絵なんだけど、見事に纏まらせて仕上げてくる絵師の技量がカッコイイ。
顔や衣服の質感は徹底して平面的なのに、当該箇所は透けた血管の色やらヌラヌラとしたハイライト、反射光、それこそ「毛の一本一本を描上げる」かのような局部リアリズム。
タダでさえ注視する箇所なんですが、更に追い討ちをかけて集中線並みに煽ってくれてる。
なんなら勝手にズームしてくれてる。
時の編集者がそうしろって絵師に発注したのか、絵師の粋な計らいかわからないけど
完全に暴走気味ではある。
まあそこが心意気なのかもしれないが・・・
ともかくその心意気たるや、現代のエロ漫画にもちゃんと受け継がれてる。
春画を芸術たらしめてる理由は「コレだ!」と断言できないけれど
(歴史的価値だったり、作者の知名度だったり、絵的なものだったり様々だろうけど)
今まで絵巻や浮世絵に見る人物の表情は乏しくて当たり前、と思っていたのが
案外と表情豊かに情景たっぷりにファンタジーてんこ盛りな生き生きとした顔を沢山見かけた。
女の表情も様々で
声まで聞こえて来そうな恍惚の表情、はたまた拒否する必死な形相、
いわゆるよくあるのっぺりとした浮世絵美人の無表情ではない。
男性も様々。エロ目の元祖みたいな絵もあれば、「歌枕」みたいにキスするも目が冷静
みたいなね。
今回「歌枕」(上図)が一旦4日までの展示ということで、急遽急いで観にいったけど
「歌枕」観れてよかった。大好き。オマージュ描きたい。
男の冷めた細い目と、透ける太もも。と尻。
いくらでもシチュエーション妄想できるわ。
そういうついキャラ背景やら状況を妄想しちゃう春画が、なんとも好きです。
ズバリ本番バーン!!ジョイントドーン!
みたいのじゃなくてね・・・(誰かと笑いながら突っ込む、という鑑賞なら楽しいかもしれないけど。)。
そんな訳で、
今回じっくり観れなかったので、もう一回観にいきます。
そしたらちゃんとブログ書きます。
春画展 SHUNGA
2015年9月19日(土)~12月23日(水・祝)
前期:9月19日(土)~11月1日(日)
後期:11月3日(火・祝)~12月23日(水・祝)
※会期中展示替えあり
会場:東京・江戸川橋 永青文庫 特設会場 2階~4階
時間:9:30~20:00(日曜は18:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館)
料金:1500円
※18歳未満入場禁止
春画展の公式ホームページ:http://www.eiseibunko.com/shunga/
春画展の公式ツイッター:https://twitter.com/EISEI_SHUNGA
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