昨日からの続きで少女の時代に影響を受けた文化の話。
今回は漫画。
田舎で圧倒的情報量の少ない庶民の娘の私にとって、漫画は大事な情報源。
もちろんテレビもねえネットもねえ、という世界(テレビはさすがにあったけどあんまり観た記憶がない)なのです。本屋もね、小さいのが一軒とかそんな感じで。
本屋って文房具も売ってて、小学生の私にとって最も素敵な場所だったわけです。
初めて読んだのが小学校の図書室で見つけた「人物日本の歴史」。
最初に絵のきれいな紫式部を読んで、一気に全巻読破。
ヒマなので好きな人物は何度も読む。
中学生くらいまでの日本史はおかげで大好きでした。
同じ系統の歴史漫画で、百人一首とかもあって、楽しかった。
このとき平安文化に感化され、無謀にも手をだしたのが
「あさきゆめみし」
小6の自分にこの物語はヘビーで、最初は眺めるだけで幸せ。
何かに取り付かれたように模写をしました。
十二単とか扇、花、古典柄…
見よう見真似で必死で描きましたとも。
黒髪のベタツヤのテクまで習得。
私の絵を見たことのある人はお分かりかと思いますが
現在の色彩感覚が完全にこのころ確立されてます(呪縛)。
抜けないんですよ、思春期の呪縛って!
何度も眺めて居るうちに漢字も覚え、謎の雅な言葉遣いもやってみたくて(ヤバい)。
そのあと魔の刻中学生時代に雷に撃たれたのは
澤井健 「イオナ」
こちらも私の絵を知ってる方はお気づきかと思いますが、
影響受けまくってます。
ちょうどこの頃90年代、スパモブームの渦の中で
圧倒的な画力と女性観察の集大成みたいなこの漫画。
主人公の謎だらけの小学校教師、五十嵐イオナが
色んなスーパーモデル・スターのコスチュームを纏って
小学校の教壇に立ちます。
「これピーターリンドバーグのリンダじゃん!」
「マドンナじゃん!!」
などと当時タイムリーだった超モードな世界を
力技で学校漫画に落とし込んだのは、後にも先にも「イオナ」だけじゃないかな。
当時の青年誌にあるまじき、ブックデザインのセンスの良さも凄くて。
大人になったらこういうもの描く仕事したい!と夢みてました。
やがて色んな漫画を読んで大人になるんですが
生きていくうちに少しずつ色々つまんで
結婚して王道少年漫画大好きな主人の影響で
最近読んだのは
幼少の頃の漫画は絵画の如く眺めて楽しむものだったのですが、
ストーリーの強さ、キャラクターの魅力、絵の迫力
などが半端ない少年漫画も。
ピアノの森は、好きな【天才モノ】なので別枠。
半身浴のお供に部屋に置いてある主人の漫画を拝借してます。
明快なテーマにアツい描写。
やっぱり面白いです。
カッコイイ老人が活躍する漫画が特に好きです。
もはや雑食。
それでもたまにはまったりとドロドロした漫画も読みたいな~
などという日には
少女マンガです。
名香智子は素晴らしい。もう最高に泥沼。
それでいて極めて耽美でラグジュアリー
お腹に溜まる重さのある、コクがあって甘くて苦い洋菓子のような味わい。
クセになるから、是非!食べてみてほしい。
スワンもね。ひたすら美しいんだけど
ジリジリするくらいまどろっこしくて回りくどい心理描写と
説教臭いと思える程のキャラの台詞が、たまらない!
心がズシっともたれる様な甘美なモヤモヤなんですよね。
「エースをねらえ!」も、そっち系のたまらない魅力で好きでした。
そんな私の今一番のお気に入りは
「落語心中」
昭和が舞台の落語物語。
もう寄席に行きたくてしょうがなくなってます。
言葉遣いと所作の描写が本当に素敵。久々に続きが待ち遠しいマンガ。
ということで 長くなりましたが
知らない世界を垣間見ることが出来るのが
私にとっては
マンガの愛すべきポイントです☆