梔子 くちなし
梅雨の時期に白い花を咲かせる、思い出のお花。
例によって緑の多い土地で育った私は、
路傍や実家の庭先で梔子を楽しむことが多かった訳です。
香水やコロンに憧れる思春期以前小学校高学年くらいの時に
庭に咲く梔子のその何処と無く慎みのある高貴な佇まいに惹かれて
香りを確かめると
「ドキーーーー!!」
とするような強い芳香。小学生には刺激的!
いえ、今でも十分刺激的。
因みに庭先の梔子はこのタイプ。
topは西洋梔子かな。
教養もあり芸も嗜み思慮深く儚い美女が
実は凄く女っぽくて嫉妬深くて
そんなギャップがもう大変魅力的な
そんな女性像が克明にw想像できるような。
そんな頃(11歳~12歳)、読んじゃった「源氏物語」
「あさきゆめみし」も最早売っては買いを何回繰り返しただろう
っていう私的バイブル中のバイブルに
六条御息所
という美女がおりまして。
その方が、梔子の美女そのもので、
大変高貴な身分で教養も趣味も深く、
御息所という名前からも時の未亡人であることが分かるけれど
大臣の娘に生まれ、東宮妃となり、一女をもうけるも、東宮と死別とwikiにもあるとおり
とんでもなく高貴な背景に裏打ちされた気高さも持ち合わせてて
光源氏の年上の恋人としてストレスが溜まり
(8歳年下の若き光源氏の年上ブームに振り回される形に…)
生霊になって光源氏の愛する恋人(常に複数いるからね)を呪い殺すのですね。
その後何度も生霊登場。
髪引っ張ってる…
大和和紀先生の生霊の表現がとっても幻想的かつ生々しくて、
大好きです。いつの世も女って変わりませんね。
六条御息所は
生霊の魂を飛ばす直前、
うたかたで梔子の花がやたらに香っている
という表現があって、
小6の私は大変な衝撃を受け
「あの庭の梔子と同じ香りを六条御息所が嗅いだ…!??」
と戦慄が走り、梔子の香りに乗って自分の魂が恋敵のもとへ…と想像。
「な…なんて大人の物語なんだ!!!」
と、どんどん源氏物語にハマっていってしまったのでした
梔子の香りは美女の情念の香り
そう思うとたまりません。
それからちょっと大人になって梔子の香りの香水を探して
購入したのがこちら
シャネルのガーデニア。
唯一のシャネルだわ。
つけて出かけるというより、梔子の香りを嗅ぎたくなった時に部屋にプッシュ。
そうすると、梅雨時の少しノスタルジックな気分になるという訳です^^
ということで
ちょっとマニアックな香りの想い出でしたw
余談ですが、梔子には凄く虫がつきやすくて
ガの幼虫ですね。
父が虫に梔子を食べられないように
虫を箸で取って燃やしていました。